メヘンディ(ヘナタトゥー、ヘナアート)専門・ハート*フール

タール系染料の結果

MEHNDI & HENNA

■タール系染料の結果

石炭や石油などを原料として作られるタール系染料。このタール系染料を使用した「ヘナタトゥー」と称するボディペイントがあることは、以前のトピックス「ヘナ」と「タール系染料」でご紹介しましたが…今回は、そのタール系染料を使用して肌を染めた結果についてご紹介いたします。

私がタール系染料を使用したヘナタトゥーもどきを描いてもらった日の夜、濃く染まっている部分のみ、少しだけチクチクするようなかゆみが出てきました。一番濃く染まっていた部分は、蚊に刺された後のように小さくぷっくり腫れていました。肌の上に残っていたタールの影響だと思われたので、すぐにお湯と石鹸でしっかり洗い、腫れている部分には軟膏をぬりました。幸い翌日にはかゆみも腫れも治まりました。

タール系染料によるかぶれ

これは描いてもらった翌日の状態。写真の白い丸で囲ってあるところ、少し濃く色が付いている部分がわかるでしょうか?これは濃く染まっているわけではなく、少し傷になっている部分です。
蚊に刺された後、かゆくてたくさん掻いていると、すこし肌の皮がめくれてしまうことがあると思うのですが…そんな状態になっています。ペーストがたくさんのっていた部分なのですが、タール系染料が強く入りすぎてしまったことで、簡単に言えば軽度の炎症を起こしてしまった感じです。
全ての人に、こういった症状が出るわけではありませんし、私自身も、毎回このようになるわけではありません(昔にアジア雑貨店で売っていたペーストを試してみた時は、少しかゆくなっただけでした)が、化学染料はこういう症状を引き起こす可能性が高いと言うことだけ、きちんと認識しておかなければいけませんね。

描いてもらった当日と翌日以外は痛みやかゆみもなかったので、その後は全く気にしていなかったのですが、何日かあとに私の腕を見た方から「湿疹が出ているんじゃ…?」と言われ、ふとヘナタトゥーもどきの痕を見てみると、些細な事ではありますが、確かにいろいろな症状が出ていました。

タール系染料による湿疹

ちょっとわかりにくいのですが…うっすらオレンジ色になっているのが、タール系染料を使用したヘナタトゥーもどきを描いてもらった痕。写真の真ん中よりやや左上あたり、オレンジ色になっている部分の周囲に、少し白っぽいラインが出ているのがわかりますでしょうか?ヘナタトゥーもどきの痕の皮膚が、軽い火傷や治りかけの傷跡の様に薄くなっていて、描いてもらった模様にそって、うっすら皮がめくれています。少し深い傷になっている部分もまだ残っていますし、また、ルーペで見てみると、小さな赤い湿疹があちこちにポツポツ出ていました。かゆみや痛みなどの症状こそなくなったものの、タール系染料は2週間経った後でも、肌にしっかりと影響を及ぼしているようでした。
偶然にも、私がしてもらったのと同じブースで、ヘナタトゥーもどきを描いてもらったという方にお話を聞く機会もあったのですが、その方は痕が残ったりすることはなかったけれど、やはりかゆみと少しの痛みがあったそうです。

こういった肌に悪影響を及ぼす可能性のある化学染料を使用したボディペイントの場合、その染料をたっぷり使用してべったりと塗りつぶすようなデザインであればあるほど、肌に影響が出てくる可能性が高まります。もし気になる症状が出た場合は、すぐに皮膚科に行くなどして、専門家に相談することをお勧めいたします。

幸い私のこれまでのメヘンディのお客様の中には、ヘナで何らかの問題が起きた方はいらっしゃいませんが、ヘナに対して何らかのアレルギーを持っている方も世の中にはいますし、「ヘナ=100%安全」というわけではもちろんありません。ただ、化学染料を使用した「ヘナタトゥーもどき」は、ヘナだけで肌を染めるメヘンディよりも、リスクはかなり高くなります。とくに、海外で生産販売されているものは、日本で出回っているものよりも強い薬品が使われている場合も多いです。

市販のメヘンディコーンや、チューブに入ったものなど、化学染料の入ったペーストを使用して「メヘンディ」をしているアーティストの方。アーティストさんとお客様が納得したうえであれば、強い化学染料を使用したボディペイントを行うのも自由ではあると思いますが、「メヘンディ」「ヘナアート」「ヘナタトゥー」とだけうたって、お客様に何の説明もなく化学染料を使ったボディペイントをするのは、絶対にされませんよう。「ヘナで染めているから安全性が高い」という理由でメヘンディを楽しんでくださるお客様もたくさんいらっしゃいます。そういうお客様に対して、何の説明もなく化学染料を使用したボディペイントを行うのはお客様を裏切る行為になります。
また、肌に悪影響を起こす強い化学染料を使用したペーストを「ヘナ」と言ってお客様に使用し、お客様の肌に何らかの問題が起きるようなことがあった場合、勘違い&原因がきちんと解明されないままに、ヘナを使ったボディペイント=メヘンディそのものが禁止されてしまうことだってあり得るのです。

沢山の方が気持ちよくメヘンディを楽しむことができるよう、 アーティスト側は、誠実な対応をしていかなければ、と改めて思います。

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