メヘンディ(ヘナタトゥー、ヘナアート)専門・ハート*フール

メヘンディと、ブラックヘナの違い

MEHNDI & HENNA

■メヘンディと、ブラックヘナの違い

ヘナは天然の植物であるため、染められる色は茶系(オレンジ~濃い赤褐色)のみで、その色の染まりを濃くすることはできても、色相をコントロールすることはできません。しかし、ヘアカラー商品として販売されているヘナには、黒などのより髪の毛に馴染みやすい色に染まると謳っている商品もありますし、海外では時に「ブラックヘナ」と呼ばれる、黒く発色するメヘンディに出会うことがあります。
今回は、この「ブラックヘナ」について。

天然のヘナが時間をかけて肌をオレンジや茶色に染めるのに対し、ブラックヘナは、短時間で肌を黒色に染めます。ほとんどの場合、このブラックヘナには科学的な染料などが含まれています。ケロシンやアセトン、塩基性染料など、混ぜられるものには様々な種類がありますが、最も有名なのはPPD(パラフェニレンジアミン)と呼ばれる科学染料です。
PPDが有名なのは、その危険性から。PPDは直接肌につけると、人によってはペイントをした部位の赤味やかゆみ、炎症や腫れといったアレルギー症状をひきおこしたり、火傷のように肌に痕が残ってしまう可能性を秘めています。
過去に何度か、ブラックヘナで痕が残ってしまったと言う人にあったことがありますが、数年前にブラックヘナをしたというのにも関わらず、肌がその模様の通りにケロイド状にひきつれ、痕が残ってしまっていました。

最近のインドでは、このブラックヘナが好んで使われている場合が多く、ブラックヘナを勧めてくるメヘンディ・ワーラー(アーティスト)も増えてきています。言葉の問題で双方の意思疎通がうまく出来ない事なども影響して「ナチュラル(天然)ではない」という事までは伝わっても、ブラックヘナが前述したようなリスクを伴う可能性があるものであるという事を知らされないままに「黒く染まる方がカッコいい」と、勧められるままにブラックヘナを使用してしまう…という事も少なくないようです。

ブラックヘナ

インドのメヘンディのお店で、私が教えていたインド人の少女も、お祭りの際、ブラックヘナを使ってメヘンディを描いてもらったようでした。これがその写真。天然のヘナを使って描いたメヘンディを縁取るように、ブラックヘナが使用されています。オレンジに染まっている部分が天然のヘナを使用した部分で、黒く染まっている部分がブラックヘナを使用した部分。インド人は日本人よりも肌の色が濃いため、よりメヘンディを際立たせる為に、ブラックヘナで縁取りをする事が好まれているようです。元々肌が日本人より強いのか、ブラックヘナを使用しても何ともない、という人も多いようですが…

最後に、ブラックヘナの被害に遭わない為にも、ブラックヘナの特徴を。
まず何よりも「肌が黒く染まる」のが、一番の特徴。天然のヘナで肌が黒く染まることはありません。ブラックヘナのペーストは、それ自体が墨のように真っ黒な色をしています。また、天然のヘナが草っぽいニオイ(抹茶や畳のニオイという人もいます)がするのに対し、ブラックヘナは薬品のような臭いがする事がほとんどです。また、インドでブラックヘナをお願いすると、その場でブラックヘナのペーストを練りだす事が多いです(あまり作り置きをしないようです)。そして、化学染料ですので、天然のヘナに比べ肌が染まるのも早く、天然のヘナが「できるだけ長時間ペーストをつけたままで、水に濡らさないよう」と言われるのに、ブラックヘナは色が付いたらすぐはがすようにいわれたりします。

例としてインドでのブラックヘナを挙げましたが、インド以外でもブラックヘナは使われています。また、前述したように、PPDを使用したブラックヘナ以外にも、ヘナの色をより濃く出すために、ケロシンやアセトンを混ぜて使用している場合もあります。もちろん、これらも人体に悪影響を及ぼす可能性がありますので、使用は控えた方が良いでしょう。

メヘンディを体験する際、少しでもおかしいな…と思ったら、すぐにストップを。
問題が起きてからでは遅いですし、メヘンディを気持ちよく楽しむためにも、「ブラックヘナ」「カラーヘナ」とうたわれているメヘンディは、避けるようにしたほうが安全です。

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